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キラキラ光る夏

少し遅れて稽古場に行くと、美術班と役者数名が何やら内職の様な作業をしていた。

稽古でほとんど出番が無かった私はこの内職をやることになったのだが、、、この風景見覚えがある。100円ショップで購入したタンスの服の下に敷く物らしいキラキラ光るシート。これをひたすら同じ形にカットする。

この形、この輝き、間違いない。4年前と全く同じだ!またあれをやろーってのか!

風煉ダンス、ホントーに懲りない連中だ。加えて野外サイズだからタチが悪い。量が多い。

何年か前にダンボールのみで舞台美術を製作し、一生分のダンボールを扱った、二度とダンボールに触れることはないだろう、と皆口を揃えて言っていたにも関わらず、数年後こともあろうにダンボール彫刻家なる人物を招き入れ、巨大な亀の島を作った。

(ダンボール彫刻家本濃研太氏の技術を垣間見た我々は、ダンボールがあれば何でも出来ると思っている。)

長いシートを等間隔に裁断し、見本を当てがって切り取り線を引き、カット。この工程をひたすら繰り返す。流れ作業で繰り返す。自分のペースで繰り返す。自分のペースが故に飽きて抜ける者もいる。今我々に出来ることはこれだけだ。出来ることをやる。それだけだ。

途中蚊取り線香が切れ蚊が寄ってくる。しかしマシーンと化した我々が刺されることはない。ないと信じたい。

稽古に呼ばれ作業を抜けた私を尻目に退館時間ギリギリまで作業をしていた工員達は大慌てで掃除をし帰路に着いた。そんな彼等に手を振って私も自転車を走らせ家路を急いだ。途中かき氷屋の開店時間をチェックする。この夏、作業の合間に皆で行きたいな。なんてことを思ってみたりするのであった。

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